挿し木の記

事の始まり

撮影日:2006/07/11

 そもそも挿し木をするつもりなど、微塵もなかったのです。
 これまで何度かしたように、取り木をするつもりだったのです。それが……

 幹の表皮を剥ぎ、ミズゴケを巻きつけて取り木の準備をした、その数日後。
 右の写真のようにカシワバゴムはぽっきりと折れてしまいました。

 実は、ゴムの木の後ろの壁には換気口があります。
 換気扇を回す際にそこから勢いよく吹き込む風に、表皮を剥いで弱くなっていた幹は耐えられなかったようなのです。

 2006年7月11日の夜のことでした。

他に道はなかった

撮影日:2006/07/12

 折れてしまったものは仕方ない。
 取り木を急遽、挿し木に変更しました。

 しかし、経験がないので勝手がわからない。
 後に調べたところによると、挿し木をするときはバーミキュライトという無菌の土を使うと良いそうなのですが、 我が家では普通の観葉植物の土に挿しました。それしかなかったから。
 とりあえず切り口にミズゴケは巻きつけたまま、ざくっと土に挿したのです。

 幸いだったのが、まだ梅雨の最中であったこと。
 湿度の高い梅雨は、挿し木を始めるのに適した季節であるそうです。
 しかしながら、根がないのに水分を吸い上げるのはゴムの木にとって大変なことでしょう。
 なので私は、毎日毎日、霧吹きで葉に水を掛けて水分補給をしたのです。

 ちなみに、葉から水分が蒸散するので、あまり葉が多すぎるのは良くないそうです。
 かと言って少なすぎると養分が作れない。
 この辺のバランスはまったくわからなかったので、とりあえず取り木の準備をしたときのまま植えました。
 写真では5枚の葉がついています。
 後に1枚弱って落ちてしまいましたが、残りの4枚はぐったりしながらも頑張ってくれました。

時は流れて

 カシワバゴムの幹がぽっきり折れた夜から約2ヵ月半が過ぎた9月下旬。
 ようやく根がでました。

 なぜわかったかと言えば、ときどき幹を引っこ抜いて見ていたから。
 本当はこんなことをしてはいけないのでしょうが、どうにも気になって仕方がなかったのです。

 それまでかなりぐったりとして弱々しかった葉も、根が出て以降は日に日に元気を取り戻し、 ピンと張った葉を万歳するように広げるようになりました。

新芽登場

撮影日:2006/11/11

 更に時は流れて11月11日。
 ついに新芽が出ました。

 根が出てから約1ヶ月半、挿し木を始めてからだと実に4ヶ月かかりました。
 最初はどうなることかと思っていましたが、ここまでになればもう安心です。
 我が家のゴムの木は冬だろうがお構いなしに生長するので、これもこれからすくすくと育ってくれることでしょう。

終わりに

 今回、この挿し木がうまくいったのは、ひとえに季節が良かったからだと思います。
 実は我が家ではもう1本、やはりやむを得ず挿し木にしたゴムの木があったのですが、 残念ながらそちらはダメになってしまいました。
 始めたのは、たしか8月下旬頃だったと思います。
 まだ完全に枯れ果てたわけではないのですが、もう11月半ばでずいぶん寒く、湿度も低くなってきていますので、 いかに我が家のゴムの木が冬場も伸びると言っても、さすがに根を出すのは無理かと。
 上のほうでも記したように、挿し木を始めるのは梅雨時が良いようです。


 これから挿し木を始めようと思っている人にとって、おそらくこの記録は何の役にも立たないと思います。
 しかし、こんなにいい加減なやりかたでもうまくいくことがあるのだという参考になればと、 記録しておくことにしました。

2006.11.15