書きたいことは

 私がテキストサイトを始めたのは、もちろん書くことが好きだからなのだが、 それ以外にも已むに已まれぬ事情と言うか、少し変な習性(?)が関係している。

 その習性(?)とは……何らかの思考の断片がポッと思い浮かんだが最後、 何日でもそれが頭の中をぐるぐる回ってしまう、というものである。
 止める方法はただひとつ。書くこと。
 とにかく、その断片を言葉にして、何かに書きつけてしまうより他に止めることはできない。 だから、サイトを立ち上げる以前の私は、吐き(書き)捨て用の小さなノートを密かに常備していたものである。
 などと書くと何だか病んでいるようだけれども、思い浮かぶのは実に他愛のない、
「マルシンハンバーグはマルシンハンバーグであって、他の何ものでもない」
 とか、そういうどうでもいいことばかりだ。
 それでも病んでるっぽいかな? まあいいや。でも、マルシンハンバーグは美味しいよね。

 そんなこんなでサイトを立ち上げて 6年と 8ヶ月。
 思いつくままに雑文を、このコーナーで書いてブログで書いて、他にもちょこちょこ書いたりして、 さすがに最近では書くことがなくなってきた。
 何か書かなきゃときゅうきゅうしながら絞り出すという状況のほうが多くなっているから、 思考の断片が頭の中をぐるぐる回ることもない。
 サイトを続けている限りもう二度とないかもしれないなと思い、 それはそれで一向に構わないと思っていたのだけれども、先日、突然やってきた。
 この数年間ぐるぐる回っていなかったツケだとでも言うような強力なヤツが。

 これ吐き出さなきゃいけないのか面倒臭いなぁという思いと、このエッセイコーナーのネタができたわフヒヒ、 という思いが半々。
 いずれにせよ、書かないことには消えないし、早くすっきりしたいからすぐに書き始めた。
 書き始めて、ぐるぐるしている断片(=絶対に書きたいポイント)が意外と多いことに気がついた。
 いつもは頭の中である程度整理したらバーッと書いてしまうのだけれども、 これはきちんと組み立ててからじゃないと形にならないかもしれないという気がした。

 なので、まず、ポイントを箇条書きにした。
 そして、ちゃんとした流れのあるひとつの文章になるようにそれらを組み立てながら、少し書いた。
 そしたら……それで満足しちゃった。

 箇条書きにした時点でほぼ書く気が失せてしまっていたのだ。 「いやいや、それはあんまりだろう」と我ながら思い、頑張って少し書いたけれども続かなかったのである。
 途中まで書いたものを読み返しても、ほうほうなるほどねーと思うだけで続きを書く気がしない。
 書き始めるまではかなり熱い思いがあったはずなのだが、完全に冷めきってしまった。
 まあ、テーマが良くなかったというのはあるんだけれども……もうどうでもいいや。

 というわけで、書きかけのエッセイはお蔵入りになった。
 まだ下書きは削除していないから、書く気力が戻ったら書くかもしれないけれど、 たぶん戻らないだろう。

 しかし……
 今まで思考の断片が長文になることがなかったらか気づかなかったけれど、 不完全な状態でも書いてしまえばそれでいいということは、ぐるぐる回るコレは 「文章を書きたい欲求」の現れではないのかもしれない。
 もっとこう、単純なと言うか原始的なと言うか、お腹に溜まったガスを出すような……
 えー。それはイヤだなー。
 でもきっとそれが正解って気がする。

2011.02.21